ホームレスとしてニューヨークで生きることから見える、寄り添うことの意味【DVD】

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こんにちは、みやちる(@Miyak_Okinawa)です。

普段、生活困窮者支援をしている私にとって、
このDVDは思わず手に取ってしまった作品。

今回は、
日頃ホームレスと関わるソーシャルワーカー(福祉支援員)として、
映画を見て感じたことをまとめてみようと思う。

ホームレス ニューヨークと寝た男」

▼目次

  1. ホームレス支援とは
  2. HOME? HOMME?
  3. 【感想】支援者という立場で見てしまう職業病

ホームレス支援とは

ちなみにソーシャルワーカーとして働く前、
ホームレスは近くにいるけど遠い得体の知れない存在だった。
でも、この8年間でホームレスに対する違和感はほとんどない。

ホームレスは「状態」であり、あくまでも
その状態に至っている「人」の背景や、
その人がこれから「どうしたいか」に寄り添う

それは、ソーシャルワーカー(支援員)として
クライエントと向き合うときに意識していることで、
ホームレスであろうとなかろうと、全く変わらないことだから。

ホームレスに対する印象を強いて言うならば…

「生きる力(行動力)がすごい」
・・・って、マジで思う。

 

ハウスレス?ホームレス?

ちなみに、ホームレス支援を行う上で支援員としての視点としてよく話題としてでるのが、

「ハウスレス=家が無い人」か

「ホームレス=家が無い人」か…。

この場合の「ハウス」物質的な家
「ホーム」とは家族や知人等、人との関係性として戻る場所や故郷や家のこと。

どの部分が欠如しているのか、そこを見極めるのがソーシャルワーカーとしてのスキルである。

孤立・孤独

私達が普段目にする「ホームレス」と言われる人々の背景に、
物質的に住居が喪失していることと併せて、
「ホーム」本来の意味である、人としての関係性の喪失が生まれていることには間違いない。

ソーシャルワーカーとして、
この「関係性の喪失」に焦点を当てられるかが、
支援において重要となってくる。

そう考えると・・・

物質的な家があっても、
ホームレス(人との関係性が薄れている)状態にある人は、
きっと多く潜んでいるという事も想像がつくよね。

それが孤立、孤独。

日本で生活困窮者自立支援制度が生まれるキッカケになった
「社会問題」の一つです。

 

HOME? HOMME?

この映画のタイトルは
「HOME LESS」ではなく「HOMME LESS」

HOMEは「家」「故郷」といった、人が住んでいる空間や家庭を表す単語。
HOMMEはフランス語で「男」。ファッション用語でも「男性物」という意味があるそう。

ということは、この映画の意味って・・・男性が不足?男性が欠けている?

しかし主人公は、長身でイケメンのオッサン…いや、「おじ様」という印象。
若いころはモデル、今でもたまにモデルや俳優としての仕事も入る。

彼がなぜ「男性(人)」として欠けているのか??
なぜホームレスなのか??

ますます、興味がわくソーシャルワーカーみやちる。。。

【感想】支援者という立場で見てしまう…職業病ですな

彼の過去に何があって、どんな背景のもと「今」この選択をしているのか…

幼少期の家族関係、彼自身の物事を捉える価値観、モデルという職業から見える承認欲求の状態関係性構築の手段、自分自身との向き合い方、発する言葉から見える孤独感・・・

こんな視点で作品を見てしまうのは、完全に職業病…w

 

作品の中で彼は
こんな生活を寂しくないと言う。
情けをかけられる必要もないと言う。

でもその直後に、目に涙を浮かべながら、
心の内側にある「孤独感」をこぼす瞬間があるのだ。

そしてまたすぐに、
これが俺の生き方だと言わんばかりに
涙を奥に引っ込めた。

この作品からは、彼の日常生活を追いながら
必死に社会と繋がろうとする姿と
時折見える奥に潜む感情が、とても自然に映っている。

そして、カメラを通して彼を覗く監督と、
その監督に少しずつ心を開こうとする彼の姿にも
ぜひ注目してほしい。

ちなみに、彼のその後の生活状況については、
こちらのサイトで取り上げられているので気になった人はご覧ください。

 

きっと、彼が良い仕事についても、家を借りることが出来たとしても、
彼の感じる孤独感はなくならない。

それは、彼がハウスレスではなくホームレスだから。

彼が「HOME」を感じることが出来てはじめて、
温かい安心した空間で笑顔溢れる人生をスタートさせるのかもしれない。

おわりに

ソーシャルワーカーが、生きた分の孤独感をすべて埋めることはできません。

でも、その人と関わった「その一瞬」だけでも、
目の前の人の関心事に関心を持ち、寄り添う。

その一瞬が、その人にとって大きな「瞬間」になることを願って、
明日もまたクライエントと向き合い続けるのだと思いました。

以上、職業病を丸出しにした作品紹介でした。

最後に、この映画監督と彼との関係性が「HOME」に近いものであることを願います。